涙の雨
「尚輝さん、何言って…」
「男同士で抱き合って、キスをして、セックスまでしてるって話せばいいだろ?」
望月は椅子から立ち上がると
俺の側へゆっくりとに近づいてくる
その表情はいつもと違い
不敵な笑みを浮かべながら、椅子に座る俺を見下ろしていた
「そっそんな事言える訳ないじゃないですか、それにもし学校に俺達が付き合ってる事バレたら…」
望月の言葉と視線に動揺しながら
俺は言った
「バレる事がそんなに怖い?それとも後藤に話したら、変な目で見られるのが嫌だからか?」
―いつもの尚輝さんじゃない
口調も顔も目の前にいる姿さえ別人に見えた
その瞬間
俺の腕を強引に掴み
無理矢理引っ張り出した
「―いっ!」
掴む手の力が物凄く強くて
痛みすら感じる
望月は足早に歩くと
すぐ近くにあったベッドのカーテンを勢いよく開けて
俺をそのままベッドに放り投げたんだ
「―尚輝さん!?」
頭がパニックになった俺を
望月は冷たい目で見てた
「今からセックスしようか遼太。鍵は開けたままだから、もしかして誰か来るかもしれないな」