涙の雨
―もし、俺が同性愛者だと周りに知られたら
周りは俺をどう思うだろう
やっぱり変な目で見る…かな
初めて尚輝さんがバイだって聞いた時も
いけないって思ったけど
俺、変な目で見てた
何で男が好きなのかなって
もし尚輝さんが俺の立場になって
賢二に自ら告白したら
アイツ何て言うだろ…
「なぁ…賢二」
「ん?」
二人で帰る学校の帰り道
外の空気は凍えるように寒くて
空もどんより曇っていた
「俺がさ…ゲイだったらどうする?」
「―は!?」
俺のボソリと言った言葉に
賢二は足を止めて、俺の顔を覗き込んだ
「もしだよ!もし!!」
賢二の驚いた顔を見た俺は
慌てて言い直した
「遼太がゲイか…。女の子みたいな顔してるから、無きにしも有らずだけど…」
―もしかして、賢二は理解してくれるかも!?
一瞬そう思った
けど…
「やっぱキモイよな~ホモってさ。男同士でヤッてるなんて鳥肌たつぜ」
思わず声を失った俺
ズキンって
本当に聞こえたような気がしたぐらい
胸に賢二の言葉が突き刺さってきた