涙の雨
待ち受けが留守電の画面に切り替わると


ピーと鳴った



『…もしもし、俺だけど』



―尚輝さん




俺はベッドの上で体育座りしながら

膝の上に頭を乗せた




『今日は本当にごめん。自分でも抑えきれなくて、つい…』


望月の声はどこか辛そうだ



『悪い事したと思ってる、だからちゃんと謝りたいんだ。これを聞いたら電話かけて欲しい。…それじゃ』


電話がプツンと切れる


俺はその声を聞きながら
俯いたままだ




―尚輝さん

俺はやっぱり無理だよ



自分の好きな人が男だなんて








口が裂けても言えないよ…










この留守電を期に
望月からの着信は止まったが



その後俺は




電話をかけ直す事はしなかった




あと一週間後にはクリスマスが待っている


今のところ、会う約束は









無い
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