涙の雨

―プルルルッ!

暫くボーッとしていると
突然電話が鳴った


俺は慌ててベッドから起き上がり


携帯を手に取った




待ち受けには“尚輝さん”と出ている



俺は慌てて電話に出た




「もしもし!」

『…あ?遼太?今、大丈夫?』


大丈夫です!と変にハイテンションで答える俺




『あのさ、今から会えるかな?』




電話の向こうの望月は

いつも通り冷静だった



「あっ、大丈夫です!」



時間はちょうど夕暮れ時で


俺が即答すると、自宅の近くまで来てくれると望月は言ってくれた


『じゃ、着いたらまた電話するよ』



そして電話を切ると


胸の中がワクワクしてきた




―会ったら絶対謝んなきゃ!





そう思ったのと同時に


望月に会える事が物凄く嬉しかった



やっぱり望月の事が好きなんだって
改めて思い知らされたんだ



望月の電話を待つ間

ずっとドキドキしっぱなし


―会ったら謝って、許してくれたら尚輝さんに抱きついてもいいかな!?



ついニヤニヤしてしまう俺



そして望月から電話が来ると

急いで家を出て、近くにある公園へ走って行った
< 89 / 195 >

この作品をシェア

pagetop