涙の雨
―何でそんな事言うんだろう
突き離されたような望月の言い方に
俺は一気に不安になった
「ごめんね、遼太。俺が無理矢理引きずりこんじゃったから…」
「何で、何でそんな言い方するんですか?尚輝さんは何も悪くないです」
俺は望月の顔を覗き込みながら言った
でもその表情は曇ったままだ
「…遼太」
―恐い
何か恐いよ…
心臓がバクバクと大きく動き出す
望月が俺に伝えたい言葉が
頭の中で浮かんだ
でも、そんなの絶対に信じたくなかったし
そんな訳無いって
自分自身に言い聞かせてた
お互いに見つめ合いながら、黙り込む俺達
俺も望月も、何も言葉に出さず
その間も俺の心臓は激しく動いていた
「遼太、俺達―」
―嫌だ…絶対に嫌だ
聞きたくないよ!
「別れよう」
その言葉を聞いた俺は
あまりのショックで暫く愕然としていた