Sin(私と彼の罪)
ゆっくりとベッドに降ろされて、彼もまた服を纏っていないことに気付く。
薄明かりのなか、洗練されたしなやかな身体に、顔が火照る。
同時に、もっと触れたいとも思った。
手を伸ばすと、ゼンの指に捕らわれて軽くキスされる。
その瞳が歪んでいる。
私は自ら彼の唇に自分のそれを合わせた。
その瞬間、肩が押されてベッドに押し倒される。
ギシッとスプリングが歪む音が、やけにリアルだった。
「あっ…」
激しく降り掛かる愛撫に、小さく声をあげる。
彼のひとつひとつの動作が私を、狂わせる。
「シノ」
ため息をつくようにゼンに呼ばれた。
何度も何度も、私の名前を。
その都度、身体の奥のほうがジンジンとうずく。
「…ゼン?」
「シノ…」
私の鎖骨にキスをしながら、名前を呼び続ける。
それが悲しげで、苦しい。
「シノ…愛してる」
そう言ったゼンの表情は、まるで泣き顔。
傷ついた、百獣の王。
痛みを、一人で抱えて………
ズキンッ!!!!!
また、こめかみに酷い激痛がはしった。
それと同時に、鎖骨あたりに鋭い痛みを感じる。
「…っぁあ……」
喘ぎ声とも、叫び声とも呼べない音が漏れる。
痛い。
ゼンは丁度あの噛み跡に、噛み付いたのだ。
強く、強く。
私に何かを植え付けるように。
いつかも感じた痛みに顔をしかめる。
でも、
この痛みが、
イト、シイ……――――。