Sin(私と彼の罪)
泣き続ける彼女を組み敷いて、本能のままにキスをする。
赤く熟れた彼女の唇は甘くて、罪深い。
もっと、もっとと欲が出てきて離れられない。
きっと、何もかも思い出してしまった。
憐れな女だ。
どうせ、これからもその身をすり減らしながら生きるのだろう。
死ねない、この女は。
俺は御守りのように持ち歩いていた、小さな袋を握り締める。
心なしか自分の感情が穏やかになった。
それをベッドサイドに置くと、彼女に向き直り、その胸に顔を埋めた。
何度も俺を受け入れ続けた身体はそう簡単に変わりはしない。
しばらく愛撫を続けると、甘い声が溢れ出した。
そして俺は彼女の身体を蝕むように、抱いた。
めちゃくちゃにしてやろうかとも思った。
しかし、それよりも身体に染み付くように抱くほうが魅力的だった。
体だけでも、俺の痕跡を覚えていてくれ。
そう、願って。
鎖骨の俺が噛み付いたアトは、まだ痛々しく赤くなっていた。
そこに、口付ける。
…放してなど、やるものか。
一生、俺の隣にいればいい。
俺は、その生を
死を、見送ってやる。