夏の夜に咲いた花
小さい声で名前を呼んでみると、柵の向こうから物音がした。


「いつも思ってたけど、梓さんが出てくる時って姉貴、寝てんの?」

「ん、ぐっすり。今日はちょっと酔ったみたい」



「……じゃあ、こっち来ない?」


蓮くんはそう言って柵の向こうからこっちに向かって手を伸ばした。
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