夏の夜に咲いた花
お互い黙ってしまった。



この沈黙が居心地悪くて、あたしは思いつくまま口にした。


「まさか、ここで蓮くんと会うなんて思ってなかったなー。それにこんなに変わってるとも思ってなかった。あっ、さっきの彼女、ホントにつき合う気ないんだったらちゃんと断わったほ……」



「梓さん」


蓮くんの真剣な声が、あたしのおしゃべりを止める。


「話ある」


「……な、に?」
< 108 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop