夏の夜に咲いた花
「……いいの?」


触れると思った唇の代わりに振ってきたのはそんな言葉だった。


「いい、と思う」

「……思うって」


中途半端なあたしの返事を聞いて蓮くんは笑った。


「止めらんないと思うけど、ホントにいい?」

「止められないって……なに?」



「──さぁ?」


そう言って微笑む蓮くんに心臓がきゅっと跳ねたかと思ったら。

「!」

重なった唇にもまた跳ねた。


「……っ」
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