夏の夜に咲いた花


「蓮くーん」


今日はもう帰るだけのあたし達。

蓮くんが仕事をしているのを眺めながら、優雅にコーヒーを飲んでいた。


その時、食堂に響いた“例の声”。


昨日のことを思い出して、あたしは小さく眉を寄せた。



「仕事いつ終わる?」

「夜遅く」

「遊ぼうよー」

「仕事あるから」


猫なで声の彼女に対して、蓮くんの返事はそっけない。
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