夏の夜に咲いた花
目の前には蓮くんの顔。

唇にはやわらかい感触。


「……うわぉ……」

「ぎゃー!!」


唇が離れると、頭を抱えた手であたしを自分の胸に押しつけた。


「これでわかんないほど、バカじゃねぇだろ」


その言葉と同時にバタバタと音を立てて遠ざかる足音。


あたしは蓮くんの胸に顔を埋めていたから彼女の表情は見られなかった。




「……お姉サマの前でそーゆーこと、するかなぁ」
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