夏の夜に咲いた花

「梓、夜中にベランダ出た?」

翌朝、亜美にそんな風に聞かれて首をかしげた。


「え?」

「鍵あいてたから」


「……あっ、ごめん!」

かけたつもりだったのに、そうじゃなかったみたい。


「気をつけてね。ここ2階だしさ、上がろうと思えば上がれるじゃん?」

「ん、ごめん」

「顔洗ったら厨房行こう。今日もバリバリ働かないと」

「はーい」
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