夏の夜に咲いた花
クセ毛風にセットされた髪。

広い肩幅に背中。

まくった袖から見える、適度に筋肉のついた腕。


その後ろ姿に、あたしの知ってる頃の蓮くんはどこにもいなくて。


──男の子っていうよりも……。




「……何?」

「──えっ?」

蓮くんがいきなり振り返った。
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