夏の夜に咲いた花
手をつかまれただけなのに、その部分が熱くなるのはどうしてだろう。



「……ごめん。オレが後で洗っとくからいいよ」


パッとあたしの手を離した蓮くんは、転がったグラスを拾ってテーブルの上に置いた。


「じゃ、じゃあ、お願いね……」

あたしは慌てて休憩室から出た。

それからドアに背中を預けて、顔を両手で押さえた。



あたし、なんで……。


“ごめん”って、なに対して……?
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