夏の夜に咲いた花


「亜美ちゃん、梓ちゃん、休憩しなよ」


厨房の奥に畳敷きの部屋があって、そこが休憩所みたいになっていた。


「あー、疲れたー」

あたしは思わず畳にダイブした。


「初日からこんなんじゃ、最後までもたないよ?」

「だって、こんな仕事初めてだしさ、要領わかんなくて」

「要領つかんだ頃には終わりそうだよね」

「……それ、言わないで。あたし自身、薄々そう思ってるんだから」
< 8 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop