夏の夜に咲いた花
「あの……ごめんなさい。あたし、受け取れません」

「どうして?」


「……好きってわけじゃないけど、気になる人がいるんです」


「そう」

「そう、って……」


あまりにもあっさりした言葉にあたしは拍子抜けした。



「君を見てればわかるから。俺に気がないってこと。視線はいつも、別の誰かを探してた」
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