都合のいい私
『アヤ』


『なに?』


『……プリクラ撮るか?』


『え?』


ゲーセンについてリョウが言った言葉に


私は驚いて何も言えなかった


『……あー…ごめん。嫌か』


『いや!違うの!そうじゃなくて』


『ん?』


『嫌じゃなくて、ビックリしただけ!』


なんかドキドキが空回りして


リョウに対する態度が絶対変になってる


『ビックリする事か?』


そんな私に優しく笑いながらリョウが言う


『…………じゃあ撮る?』


『うん』


プリクラなんて女の子としか撮らないし


男の子と撮るってだけでも緊張しそうなのに


その相手がリョウだなんて……





出来上がったプリクラの中の私とリョウは


少しだけ距離があって


寂しいような新鮮なような不思議な気分だった
< 15 / 433 >

この作品をシェア

pagetop