ねぇ、満月。



「昨日の路地裏にいるから
今すぐ持ってこいよ!」


男はそう言うと、電話を切った。


俺はケータイをポケットに
しまって路地裏へと向かった。


気が進まねえ。


さっさと金を渡して
満月を慰めにいこう。


今だと沢谷に邪魔されず、
満月を俺のものに出来る。


俺は路地裏へと走った。



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