ねぇ、満月。



路地裏にはすでに昨日の男達が
いた。


俺は財布から三万円を取り出し、
一万を一人ずつ渡した。


「一万円ありがとな♪
ま、あんたの言う通りしただけ
だから当然だけどな」


男達は一万円を受け取ると
財布の中にしまい込んだ。


「そういえば、昨日の女の顔!
笑えるよなっ!!」


「あいつ、絶対あんたに
ときめいてたよな」


男達は笑った。


俺も笑いそうになった。


あの時の沢谷は俺のことを
信じていたみたいだったから。



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