君がいる街
「基哉め・・・・マジで後でぶっ殺す。」
「うわー。朝から物騒な言葉ー。お姉さん、思わずおにぎり落としそうになっちゃったわー。」
「・・・何を、いけしゃあしゃあと。」
いつもの教室。学校についても、未だヒリヒリと痛い自分の舌。いくら水を呑んでも収まらないこの感覚。
アイツは絶対、大人の仮面を被った子供だ。いかにも大人気ない。
ホームルームが始まる前のこの時間。基哉に対する恨みつらみを1人ごちていると、後ろからまた、何とも間延びした声が聞こえてきた。
振り返れば、そこにはいつものクラスメイト。
モシャモシャと朝メシだか早弁だか知らねーが、頬っぺたにご飯粒をつけたソイツが、食いながら俺の顔を見ていた。
・・・・どう考えても、おにぎり落とす気0の食いっぷりじゃねーか。