君がいる街
今日はホントに、運が悪い。財布の中身は、ひっくり返してもボロボロになったレシートしかでてこないだろう。
うぃーっすとかなんとか言いながら、出席簿を教卓に置く基哉。いつも思うけど、やる気あんのか。テメーは。
ぐるりと教室を見渡して、基哉が口を開く。
「・・・・沖島、今日も来てねーのか。」
「朝、屋上の方に行くのは見ましたけど・・・・」
基哉の問いに答えたのは、学級委員長。どのクラスにもいる優等生。
スッゲーイケメンだとは思うが、なんとなく目立ってない気がする。
イケメン=モテるという方式も、ヤツには通用しない。うわーお。なんか、同情してきた。
委員長の言葉に、ふーんとだけ頷いて。何故かヤツは。
ニヤリと。笑いやがった。