君がいる街




「先生。僕が行きます。」


「いい。蔵が行くから。」






勝手出てきた委員長の宣言も、ものの3秒で却下し、ほら行けよ。と俺に視線で指図する基哉。






うん。とりあえずね。




一度、あの黒板の横に置いてあるでかいコンパスで、アイツの頭を殴ってやりたい。




つかさー、可哀想だろ委員長が。なんか、好きな子に告白して、振られたみたいになってるじゃん。軽く涙目になってるじゃん。





これ以上抵抗する気も起きず、イスから立ち上がった。ああもうホントに。今日は厄日だ。




歩き出した途端、引っ張られる学ラン。見れば、涙目の圭で。









「つ、ついでにっ。お茶、お茶買ってき、ゲホっ。」


「一生、詰まらせてろよ。」





何で普通に学校生活を送るのが、こうも難しいのだろうか。



< 23 / 70 >

この作品をシェア

pagetop