君がいる街
「教室。戻ってこいだってさ。」
「・・・なら、ほっとけって言っとけ。」
一言。それだけ言って、沖島は胸からタバコを取り出した。
青い、綺麗な空に沖島の吐き出した煙がすぅっと溶けてく。
・・・つーか、何で俺だけこんな苦労しなきゃいけねーんだ。アホくさ。
なんかホントにもう、どうでも良くなってきた。
「あぁもういい。俺もサボる。」
「はぁ?」
ゴロンと勢いよく横になれば、不機嫌極まりないといった顔の沖島が、覗き込んできた。
「・・・襲うなよ?」
「死ねよ。邪魔だ、帰れ。」
「えー、いーじゃん。紅ちん、同じクラスのよしみじゃん。」
「・・・・」
急に黙った沖島。何事かと見上げれば、降ってきた信じられない言葉。
「つーか、お前ダレ?」
委員長。俺もお前の仲間かもしれない。