君がいる街
「桜月です。宜しくお願いしますっ!」
「桜月さんねー。了解。まぁ、アットホームなクラスだから、すぐ友達も出来るよ。」
優しい声色の基哉。
つか、お前さ。
生徒をイスにして仕事しているヤツの、セリフじゃねーだろ!!アットホームどころか、こっちは毎日極寒の中での生活みたいな感じじゃねーか!
・・・つーか、もういい加減誰か突っ込めよ。この中に1人、明らかに人間的に扱われていない人がいますよね。って、突っ込めよ!!
しかし、あの立ち位置からは俺が見えないのか。桜月って人が安心する様に笑うのが聞こえた。
「じゃあ一条先生。明日から宜しくお願いしますね。」
「はい。」
テクテクと、2人出ていく足音。未だ腕をプルプルさせながら力を振り絞って顔を上げれば。
教頭と、目があった。
「・・・頑張って。」
いや。だから、突っ込めよ!!