君がいる街




アイツが立っているだけで、何故だか周りが色めき立つ。



沖島のファンなのだろう。口を手で押さえて喜びを押さえるのに必死な女子までいた。




・・・・あんま、クラスにいねーからな。





沖島紅に学校で会えるなんざ、滅多にないことで。ヤツに惚れたらそりゃあ、悶々とした日々を送ることになるだろう。




・・・ぜひとも一度、あの感覚を味わってみたい。





そんな、どうでもいい沖島観察をしていると。どういう訳か、ヤツがテクテクとコッチに歩いて来やがった。



は?何だ?





見ると、鋭い目で、一言。





「碧斗のヤツは、どこだ?」





・・・碧斗?



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