君がいる街
碧斗?碧斗、碧斗・・・・
足りない頭で繰り返してみても、思い当たる節がない。
つーか、そんなヤツ知らねぇ。
はっきりしない俺の態度に苛ついたのか、沖島がその端正な顔で、思いっきり俺を睨む。
やめろよ。不細工なヤツだと結構笑えるが、お前がやると本当にこえーんだぞ。
「んなヤツ知らねーよ。つか、何で俺に聞く?」
「・・・・」
疑問をぶつければ、黙りこむ沖島。ああ?どうしたんだ?
圭と顔を見合わせるが、ヤツも首を傾げただけだった。
「・・・お前しか。」
「は?」
「お前しか、知り合いいねーから。」
ぼそりと呟かれたその言葉に。
一瞬、思考が停止した。