君がいる街
知り合いが、いない?この学校に、俺しか?不良のお前が?
2年間通ってきて?
つーか、そもそも俺達知り合いなのか?
幾つもの疑問が一気に押し寄せてきて。ただポカーンと沖島の顔を見つめれば、自分が失言をしたと思ったのか、くるりとヤツが背を向けた。
「邪魔したな。帰る。」
「あ、ちょ、待てって!」
反射的だった。手が伸びたのは。うっかり掴んでしまったヤツの学ラン。
あ、やべえ。と思うと同時に、俺とは対象的な、ボタン全開の沖島が振り返る。
鋭い瞳が、俺を映して。何だか、緊張してしまう。
「その、碧斗ってヤツは知らねーが、」
「・・・・」
「その、さ。」
「お前とは、いい友達になれると思う。」
瞬間。沖島の鋭い瞳が、見開いた。