君がいる街
浪川蔵之助(なみかわくらのすけ)、17歳。只今、国語の授業真っ最中。
お経の様に唱えられている先生の声に、思わずため息。
眠い目を学ランの袖で擦ると、ニヤリと笑うアイツと目があった。・・・・あ、ヤベー。
慌てて教科書に目を落としても、もう遅かったみたいで。名前を呼ばれるのは、もう避けられない。
「じゃ、次。蔵之助、読んで。」
ああ今すぐに、あのニヤニヤ笑っている顔をぶん殴ってやりたい。