君がいる街






碧斗って名前からして、てっきり男の名前だと勝手に思っていた。



探していた・・・ということは、沖島は昨日、あの子がこの学校に担任に挨拶に来るのを、知っていたのか碧斗って名前からして、てっきり男の名前だと勝手に思っていた。



探していた・・・ということは、沖島は昨日、あの子がこの学校に担任に挨拶に来るのを、知っていたのか?



じゃあ、2人は知り合い?






「んじゃあ、桜月ちゃんはー。あ、そう。七瀬の隣ね。ほら、一番後ろの空いてる席。」




基哉が、俺の斜め後ろの席を指差す。その瞬間、あの子が沖島を見て笑った気がした。



・・・やっぱり。知り合い?



他人のことなんか、普段は全然気にしないのに。どうでもいい筈なのに。


何だか、凄い気になって。


彼女が沖島の席を通り過ぎる時。何故だか無性に。



悔しくなった。






『再会』





(人と距離を取りたくて、勝手に引いていた境界線。)
(だけど、彼女だけはどういう訳か。)




引きずりこみたくなった。


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