君がいる街
何で、姉貴の写真なんか手帳に挟んでんの?アイツ。
幸せそうな、姉貴の顔。まだ時間はたっていないのか、割りと新しいモノで。
「観覧、車?」
姉貴の後ろには、でっかい観覧車。2人で遊びにでも行ったのか?
姉貴のその無邪気な顔に、自然と笑顔になる。けど、ふと時計に目をやった瞬間、一気に青ざめた。
「やっべ。遅刻する!」
適当にソレをまた手帳の中に押し戻し、カバンに入れた。遅刻してもこれを持っていけば、アイツの機嫌も直るかもしれない。
・・・・なんてあるわけないか。あの魔王が。