君がいる街
「ふざけんな。会話だってまだ、トータル10分もしてねんだぞ。」
「だから何?要するに、一目惚れでしょ?」
・・・・また、来たよ。一目惚れ。
あり得ない。つか、信じない。そんなの、絶対に嫌だ。
圭を軽く睨み、いーか。と口を開く。
「俺は、容姿だけで人を好きになる様なヤツじゃない。」
「は?何言ってんの。」
「へ?」
予想外な圭の反応に、思わず間抜けな声を出してしまった。自分が何か変なこと言ったか?と思うも、これと言って思い浮かばない。
圭は呆れた様にため息をつき、口を開く。
「一目惚れってゆーのはね?何も美人さんにだけするものではないでしょ?」
「・・・・」
「人は、誰しも自分にないものを求めようとするの。そして、」
「ソレを、見つける能力があるの。」
何故か、その言葉にぐっと胸をつかれた気がした。