君がいる街
自分に、ないモノを求める・・・・?
ポケーっと考える俺に、圭が続けた。
「遺伝子の中に、組み込まれてんのよ。自分とは違う遺伝子を求める、プログラム。」
「・・・・また、随分と化学的な話に。」
「見かけじゃ分かんないけど、人間が持ってる五感で、それを察知すんの。」
面白いでしょ?ニヤリと圭が笑い、まだ呆けている俺のオデコをつんと押す。
つまりは、何か?俺が桜月に、感じたってことか?つまり、その・・・・
「まぁ、その遺伝子が違えば違う程、離れずらくなるって訳。そんな出逢い、中々ないでしょ?・・・だから、人は言うのよ。」
「『運命』って。」
・・・・何か、運命的なものを。