君がいる街
「よし、座っていいぞー。」
まぁ、なんともやる気のない声ですこと。
教科書を読み終え、ガタンっと乱暴にイスに座る。絶対、アレだ。昨日、カレーにタバスコ大量に入れた仕返しだ。基哉め、26にもなって、大人げない。
席についてヤツを睨んでみても、ドコ吹く風のソイツは、次の居眠りしているヤツを指名した。ほら、やっぱり。眠いヤツは俺だけじゃねんだよ。お前の授業、つまんねーっつの。
多少イラつきながら、窓の外を見る。ホントに、何気なく。でも、次の瞬間。
目を、奪われた。