君がいる街
「はい、じゃあ今日も皆、死なない程度に頑張ってね〜。」
ホームルーム終了時。出席も、今日の大まかな内容も言い終えた基哉が、またなんか気だるい言葉を残して教室を出て行く。
「素直に頑張れって言えないのか、テメーは。・・・・って、あ!!」
手帳!!
あまりにアイツが普段通りで、すっかり忘れていた。
基哉を見れば、ちょうど教室を出て行くところで。急いで追いかけようと、カバンから黒い、あの分厚い手帳を取り出す。
そして振り返って走り出したとき。
「きゃっ。」
「うわっ!」
誰かと、ぶつかってしまった。