君がいる街
バサッと、音を立てて手帳が床に落ちる。ソレを拾うより先にゴメンッ!と相手の顔を見れば、驚いてる様子の圭だった。
「んだ、圭かよ。謝って損した。」
「どういう意味よ!・・・何コレ?」
「基哉の手帳。」
言いながら廊下を見れば、基哉の姿はもうなかった。
ああもう、追い付くのは無理だな。今日はアイツの授業もないし。昼休みにでも持って行こう。
律儀に、基哉に手帳を返すスケジュールを立て直していると、いつの間にか圭がその手帳を拾っていて。
興味があるのか、いろんな角度からソレを眺めてた。
アイツのスケジュールなんて、何も面白いことなんてないのに。
「あれ?何コレ。」
「あ。ソレは・・・・」
ちゃんと、挟んでいなかったのだろう。またはみ出してしまっていたらしいソレを、圭が取り出してしまった。
姉貴の、写真を。