君がいる街






ふと、窓の外を見れば。冷たい風が吹く中、沖島と桜月が2人並んで歩いていた。





・・・そうだ。これくらいが、ちょうどいいんだ。





窓から見る俺を気づくこともなく、歩いていく彼女を見るくらいが。





いくら彼女の噂をする野郎がいても、気にも留めず歩いて行く彼女を見るくらいが。






決して。






沖島になりたいなんて、思わないから。









ただ、この痛くて切なくて遣りきれない気持ちは、どうやったら消えるのかを。




教えてほしい。





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