君がいる街






「くっらく〜ん?」


「な、何でございますか?」


「コ・レ。何で七瀬が俺んトコ持って来たのかな〜?」


「そ、それは・・・・」









何だ?この寒気は。ココは、本当に日本か?




テレビを見ていた夕暮れ時。無言で帰宅した基哉に気づかなかったのが、不幸の始まりだった。




気づけば、じりじりとソファーの上で追い詰められているこの始末。アレ?ひょっとして俺、殺される?







「だ、だから、基哉忘れて行ったろ?ないと困るかなーって、わざわざ。」


「ふーん。で?わざわざ七瀬が持って来たと。お前じゃなくて。」


「基哉。落ち着こう。」


「俺は、いたって冷静だが?」







ギュッと、ゲンコツで頭の左右をグリグリとし始める基哉。





・・・あー、セリフと行動がまるで反比例です、基哉さん。




< 67 / 70 >

この作品をシェア

pagetop