君がいる街
「くっらく〜ん?」
「な、何でございますか?」
「コ・レ。何で七瀬が俺んトコ持って来たのかな〜?」
「そ、それは・・・・」
何だ?この寒気は。ココは、本当に日本か?
テレビを見ていた夕暮れ時。無言で帰宅した基哉に気づかなかったのが、不幸の始まりだった。
気づけば、じりじりとソファーの上で追い詰められているこの始末。アレ?ひょっとして俺、殺される?
「だ、だから、基哉忘れて行ったろ?ないと困るかなーって、わざわざ。」
「ふーん。で?わざわざ七瀬が持って来たと。お前じゃなくて。」
「基哉。落ち着こう。」
「俺は、いたって冷静だが?」
ギュッと、ゲンコツで頭の左右をグリグリとし始める基哉。
・・・あー、セリフと行動がまるで反比例です、基哉さん。