インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
「あの~、すみません」



そのとき
背中から
また声をかけられた。



もう驚きはしない。



とりあえず無視。



どうせ時間を教えてくれとか
そんなつまんないことでしょ。



いま
あたしは非常忙しい。



大事な考えごとの真っ最中。



邪魔するなっての。



ただでさえ
ぼっとして
生きてるんだからさあ。




回想でも
妄想でもやって
頭を回転させなきゃ
腐っちゃうってね。



てかさあ~
はあ~
あたしも
ほんと大人になったな~。



いまはもう
ワンナイとかやんないし
仕事もしないで
ブラブラ遊びまわることもないしね。



まあもっとも
セフレはいるけど
それはご愛嬌ってことで~。



とにかく
恋なんてさあ
どうせ
いつか
終わっちゃうわけだし
もういいってかんじ。



男と女。

まったく
べつの生き物。



体のつくりだけじゃなく、考えてることだって……。
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