インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
ひかり!



這うようにしていって
ドアを開ける。



「どうしたんですかぁ~」



ひかりは
素っ頓狂な声をあげて
大袈裟に驚いた



「どうもこうも、ちょっと風邪っぽい」



「それはいけませんね。さては雨に濡れてそのままバタンキューしましたね?」



ひかりが
真顔できいてくる。



「おいおい、子供じゃないんだからさ」



たけるのことを考えて
眠れなかった。



さらに、
たけるの夢をたくさん見た。



いえなかった。



あまり快くは思わない。



そんな気がしたから。



「朝、バス停にいなかったんで、どうしたのかなって心配してたんですよ」



「それがなんか夜眠れなくてさ。それで仕事休んで朝から寝て、いまさっき起きたらこのざまだよ」



「不眠症ですか?」



「そんなんじゃないと思うけど、まあ、いろいろ悩みごとは尽きないってかんじかなぁ…」
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