インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
それは
あたしが
東京最初の夜を明かした、

かたいベッド。



ここも
案内した。



でも
ここにいなかったら、
あとはもう……



そう諦めかけて
駅に引き返そうとしたとき、

そのベンチの後ろの木陰に、なにやら動く気配がした。



なんだろう。



猫?



それとも、雨なんて…

そんなのかんけ~ね~的なカップル?



そう思ったとき、
そこからなにかがいきなり飛び出してきた。




ガサッ。



ドキッとした。



どこかで見た、
いやたしかに見覚えのある、

ピンク色の傘――



まずそれが
まっ先に目に飛び込んできた。



そして……



「レイちゃん?」



その聞き覚えのある

声の持ち主は……




ふぅ~


やっと

見つけた。




やっと


いたよ………




あいつだ。
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