インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
カス男!



もうそこまで
迫ってた。


やつが
階段を5つも降りれば、

それで

ジ・エンド。



それがあたしたちの
命のリミット。



武器になるものを探した。



傘は転げ落ちる途中、
どこかに落としたようだ。



そうだ。



たしか、
そこにしまった。



ひかりの
ショルダーバッグ。



無造作に手を突っ込んだら、その感触にまっ先にぶつかった。



ボールぺン。



掴むと当時に、親切なおばさまを払いのけ、覆いかぶさるように迫ってくるカス男の顔めがけて突き刺した。



見事ヒット!



カス男が左耳あたりをおさえて低く呻いた。



おばさんもなにが起こってるか分からない様子であんぐり口を開けて尻餅をついてみてる。



あたしはいま
猛烈に怒ってる。



「なんでこんな物騒なもん持ってんだよ!」
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