インスタントラブ～甘くて切ない一目惚れの恋～

「ねえ、レイちゃん。今度、わたしをそこに連れてってもらえませんか？」



ひかりが涙をぬぐうと、
顔をあげながらいう。



「そこって……やだよ、だれがあんなところ行くもんか」



「だって、レイちゃんの原点でしょ？どんなとこで育ったのか見てみたいんです」



こんなとき傷口を広げるようなことをいうかな、ふつ～……



「たしかに嫌なことが蘇るリスクはありますが…」



「リスク？」



「逆に吹っ切れるかもしれませんから」



「吹っ切れる？……て、まさか、ひかり、あのさぁ、なんか変なこと考えてない？」



「変なこと……ですか？」



「そう」



「いいえ、べつになにも……」



「だったらいいけど……」



あたしは戸惑ってた。



泣きはらした
ひかりの顔。



見られないくらい、
ぼろぼろになってるかと思うと
そうでもない。



すっぴんだから？