インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
「昨日、ちょっと喧嘩しちゃってさ」



「みたいですね。さっき聞きました」



「そっかぁ。じゃあ、おおよそのことは知ってんだね」



「まぁ……」



「どう思う?」



「どうって?なにがですか?」



つかの間、
たけるが窺うようにあたしを見ると、

まったく手のつけられてないと思しきコーヒーに、視線を落とした。



いつもの
クールさはすっかり影をひそめ、
自信のなさが見え隠れしてた。



「ひかりと俺のこと……」



耳にしたくない言葉が、
たけるの口から出かかってる。



それだけは
なんとしても阻止したかった。



「てかまったく、ひかりとほんとの兄妹じゃないって、ほんとなんですか?」



「あぁ、ほんとだ。オヤジが以前からひかりに冷たいなと思って、それで気になって役所に行って調べたんだ」



「それでどうだったんですか?」



「そしたら、ひかりはオヤジの養子になってた」



「養子……」
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