インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
「そしてオヤジを問いとめたら白状した」



「それいつのことですか?」



「俺が高校の頃だから、もう7、8年前だよ」



そこに
アイスティーが運ばれてきた。



さっと手に取り、
口に持っていく。



さっきから
口の中がカラカラ。



けど、
口もつけず
コースターに戻した。



飲んで場合じゃない。



この渇きを、
あたしだけが
潤すわけにはいかない。



こみ上げてくる思い。



自分でも
説明のつかないはげしい感情。



それを抑えるのに
必死だった。



ちょっと油断すれば、
汚い言葉が怒涛のように口からほとばしりそうで。



「どうしてずっと黙っててやらなかったんですか……」



それでも
言葉を選びながらいった。



「いまさら、そんなこといわなくたっていいじゃない……」



だけど、
自分を抑えるのは
あたしにはまだムリそう。
< 305 / 417 >

この作品をシェア

pagetop