インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
呆れちゃって、
もう話す気力も残ってない。



だけど、
このまま犯罪を見過ごしてもいいの?




警察。



本気で考えた。



通報してやろうかって。



だけど、
それはおそらくない。



ひかりのことを考えれば
それはない。



「じゃ、俺はこれで。これからひと仕事あるもんでね」



そういうと、
たけるはニヤッとして
背中を向けた。



「もう、お前なんか嫌いだよ」



その背中に
吐き捨てるようにいってやりたかった。



でも、
できなかった。



サイテーのクソ野郎だけど、
まだどこかに、
体のどこかに、

スキの欠片が残ってるみたい。



かといって、
キライばっかりで埋め尽くされてるってわけでもなさそう。



結局、
半々てところ。



好きだけど嫌い。



それがいまの
あたしの正直な気持ち。
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