インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
「どうした?」



「しばらくそっちに泊めてもらってもいいですか?」



「あぁ、それはかまわないけど……いったいなに……」



電話が切れた。



その取り乱したような話し方、
挨拶もなく、
一方的に電話を切ってしまった。



いつものひかりらしくない。



ひどく興奮してるようだった。



そのおよそ10分後。



ひかりは半泣きで
アパートに駆け込んできた。



大きなバッグを
ふたつ抱えて。



「お兄ちゃんが勝手にあたしの部屋に入って、いろいろチェックしたみたいなんです」



ドアを開けるなり、
電話の話の続きとばかりに、
ひかりが事情を説明した。



「マジで?」



「以前から気づいてはいたんですけど、ほんとは血が繋がってないんだと思ったら、なんか気持ち悪くって……」



「そりゃそうだ。キモいよ」
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