インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
違う。



違うって。



べつに
知り合いでもなんでもないし。



ていうか
お前ら
ジロジロ見てんじゃねえ!



完全に
無視をきめこんでやろうと思った


が、
その前にいいたいこといわずにはいられなかった。



バス停から
ちょっと離れたところに
手招きすると
ぴしゃりといってやった。



「あのさあ、迷惑なんだけど。大声出すのやめてくれる?」



「すみません。ついうれしくなって」



「うれしくって……こっちはべつにうれしくもなんともないんだけど」



「ごめんなさい。次から気をつけます」



「いや、次はないから」



「はい。すみません」



不思議ちゃんが
そういって
申し訳なさそうに頭を下げる。


でも
どうも
意味を履き違えているみたい。



「いや、だからさあ、次ってのは次から気をつけろっていってんじゃなくて、もう二度と会う機会もないってこと。おわかり?」
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