インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
ひかりの手を取り、
ふたたぶ歩きだそうとした。



すると……



「待てよ」



悪魔こと、
たけるが
呼びとめた。



「やっぱ、お前だったんだな。ひかりをそそのかしたのは……」



お前って……


あたしのこと?



まぁ、
どうだっていいや。



シカト。



「さっ、ひかり、行こうぜ」



「違います……」



あ?


え?


なんだ?


ひかり?



ひかりは動かない。



なにもそんなことしなくたっていいのに、真面目に弁解なんかしちゃってる。



「わたしが行こうって誘ったの」



じっと
そのほうを見ていった。



穏やかだけど、
なにかしら激しい感情が
そこに込められてるような口調だった。



「お前は黙ってろ!」



たけるが一喝した。
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