私があなたに恋した理由
半分嫌いで少し好き



よーし。神様お願いします!!次こそはあいつと離れますように。
そう唱えながら顔を上げる。



「またじゃ〜ん。よろしくな?」



そんな私の願いもはかなく、隣を見ると見飽きたやつの顔。私は返事もせず前を向いた。



これで3回目。どうして1年に3回ある楽しみでしょうがない席替えの度に嫌な想いをいなきゃいけないのか。
やつとは世間でいう"腐れ縁"ってやつだ。
そしてやつはかなりモテる。
そのせいで私がどんなに痛い目にあったことか。
他のクラスの女子からの呼び出しなんて日常的になろうとしていた。
ほんと、迷惑。

だけど、ほんとはやつの言動ひとつひとつに心臓が跳びはねている。
まぁやつにはきっと一生かかってもゆわないだろうけど。



休み時間私はひとり机に伏せていた。



「おーい。お前、起きろよ〜」



うるさいなぁ、もう!!!あっちいけよ。…と思いながら私はひたすら寝たフリをしている。

こいつが私なんかに興味がないことわかってるのに期待してしまうから悔しい。
だからできるだけ関わらないようにさめた態度をとる。
もし気付かれてしまったら友達でもいられないことぐらい
ばかな私でもわかってるから。



「お前、俺のこと好きなんだろ?」



は!!??



「あんたなんて大っ嫌い!迷惑なの!!」



驚いた私の口が勝手にこう言った。
やつは驚いた顔して私を見つめる。
だけどきっと1番驚いたのは私の方。
どうしてこう、いつもいつも…
素直じゃないのは元からだけどこんな時にまで素直になれないなんて。



「気付けよ、俺はお前が好きなんだよ!!!」



だけどこれからは少しだけ素直になれる気がした。






半分嫌いで少し好き



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